はじめに
前回の記事では、「お金の問題はお金だけでは解決しない」というテーマについて考えました。
老後資金が心配。
投資を始めるべきか迷っている。
年金だけで生活できるだろうか。
こうした悩みは確かにお金の問題です。しかし、お金に関する知識を学んだだけで不安が消えるわけではありません。
私自身、長年ファイナンシャルプランナーとして多くの方とお話ししてきましたが、お金の話の奥には、必ず人生のテーマがありました。
「本当は何を大切にしたいのか」
「どんな人生を送りたいのか」
「残された時間をどう使いたいのか」
そうした問いに向き合わない限り、お金の問題もまた解決しないのだと思います。
お金の知識があっても、人は動けない
今はお金に関する情報があふれています。
NISAやiDeCo、資産運用、老後資金、ライフプラン。
インターネットや動画を見れば、多くの知識を得ることができます。
それでも、人はなかなか行動できません。
投資を始めた方が良いと分かっていても始められない。
家計を見直した方が良いと分かっていても後回しになる。
やりたい仕事があるのに一歩踏み出せない。
なぜでしょうか。
それは、方法が分からないからではありません。
「何のために行動するのか」が見えていないからです。

私たちは手段ばかり考えてしまう
お金の相談を受けていると、よくこんな質問があります。
「老後資金はいくら必要ですか?」
「投資信託は何を買えば良いですか?」
「何歳まで働けば安心ですか?」
どれも大切な質問です。
しかし、その前に考えたいことがあります。
その人はどんな老後を望んでいるのでしょうか。
何にお金を使いたいのでしょうか。
人生で本当に実現したいことは何なのでしょうか。
目的が曖昧なままでは、手段をいくら増やしても迷い続けてしまいます。

ジョージ・キンダーの「3つの質問」
米国のファイナンシャルプランナーであるジョージ・キンダー氏は、顧客に次の「3つの質問」(*注)を投げかけます。
- お金の心配が一切ないとしたら、あなたは何をしますか。
- 医師から余命5〜10年と告げられたら、何を変えますか。
- 24時間後に人生が終わるとしたら、何を後悔しますか。
初めて聞くと少し驚くかもしれません。
しかし、この質問は投資や資産運用の話ではありません。
人生の優先順位を見つけるための質問です。
キンダーの「3つの質問」について関心をお持ちの方は、こちらの動画(10分程度)をご覧ください。
人生の優先順位が見えてくる|「 3つの質問」 体験オンラインセミナー
(注)「3つの質問」に関しては、ジョージ・キンダー氏およびKinder Institute of Life Planningの著作物です。(”Materials were developed by George Kinder and the Kinder Institute of Life Planning and are part of a program of trainings that lead to the Registered Life Planner® designation. Used by permission of George Kinder © 1999-2025.”)
なぜ「3つの質問」は人を動かすのか
人は正しい情報だけでは動きません。
自分が本当に大切にしたいことが見えたときに動き始めます。
例えば、
「家族との時間をもっと大切にしたい」
「いつか地方で暮らしたい」
「社会の役に立つ活動をしたい」
そんな思いに気づいた瞬間、お金は単なる目的ではなく、その人生を実現するための手段になります。
すると不思議なことに、今まで先送りしていた行動が少しずつ始まります。
家計を見直す。
投資を始める。
学び直しをする。
新しい人と出会う。
行動を生み出すのは知識だけではなく、自分自身の価値観なのです。
答えを出すことより、対話することに意味がある
もう一つ大切なことがあります。
それは、「3つの質問」には正解がないということです。
答えを急ぐ必要もありません。
むしろ、自分一人で考えているだけでは見えないことがあります。
誰かに話してみる。
他の人の考えを聞いてみる。
対話の中で新しい視点に出会う。
そうした時間の中で、自分自身の考えが少しずつ整理されていきます。
KGPが大切にしているのも、この対話の力です。
金融の話を入り口にしながら、お金だけではなく、人生やキャリア、生き方について語り合う。
そこから新しい気づきが生まれると考えています。
6月のKGP Monthly Dialogueに向けて
6月のKGP Monthly Dialogueでは、「金融からキャリアを考える」というテーマを取り上げます。
キャリアとは、仕事だけを意味する言葉ではありません。
どのように生きるか。
どのような価値を大切にするか。
人生全体を考える視点でもあります。
ジョージ・キンダーの「3つの質問」が教えてくれるのも、まさにそのことではないでしょうか。
お金の話から始まり、人生の話へ。
そして、自分にとって本当に大切なものを見つける対話へ。
そんな時間をご一緒できれば幸いです。

まとめ
お金の問題は、お金だけでは解決しません。
人を動かすのは知識ではなく、自分にとって大切な価値観です。
ジョージ・キンダーの「3つの質問」は、その価値観に気づくための入り口です。
そして、その気づきを深めるのが対話です。
もし今、お金や人生について漠然とした不安を感じているなら、一度立ち止まって自分自身に問いかけてみてください。
「本当に大切なものは何だろうか」
その問いから、新しい一歩が始まるかもしれません。
詳細および参加申し込みはこちらをご覧ください。
6月KGP Monthly Dialogue開催|3つの質問を使った才能開花の環境づくり



コメント